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静岡地方裁判所沼津支部 平成5年(ワ)256号 判決

静岡県田方郡土肥町小土肥四八五番地

甲乙両事件原告(以下「原告」という。)

有限会社山光

右代表者代表取締役

山元芳光

右訴訟代理人弁護士

井出正光

右輔佐人弁理士

三宅正夫

静岡県賀茂郡松崎町岩科北側六二番地の二

甲事件被告(以下「被告」という。)

株式会社小泉商店

右代表者代表取締役

小泉巳智雄

静岡県賀茂郡西伊豆町仁科一一〇一番地の五

乙事件被告(以下「被告」という。)

橋本屋商店株式会社

右代表者代表取締役

山本國男

右両名訴訟代理人弁護士

松岡宏

右訴訟復代理人弁護士(乙事件)

杉本喜三郎

主文

一  被告らは、別紙目録(一)及び(二)記載の加工方法による桜葉の漬物加工物の製造をしてはならない。

二  被告らは、被告らの本社工場内に存する別紙目録(一)及び(二)記載の加工方法により製造した桜葉漬物の完成品を販売してはならず、また、その半製品を仕上げて販売してはならない。

三  訴訟費用は、甲乙両事件を通じ、被告らの負担とする。

事実及び理由

第一  請求

主文同旨

第二  事案の概要

本件は、原告が、発明の名称を「桜葉の速製漬け加工方法」とする登録第一一九三〇一七号の追加の特許権(以下、「本件特許」といい、その特許発明を「本件発明」という。)に基づき、被告らに対し、被告らの製品の製造等の差止めを求めた事案である。

一  争いのない事実等

1  原告は、本件特許を有し、本件発明の構成要件(以下、それぞれ「構成要件(一)」、「構成要件(二)」などという。)は、次のとおりである。

(一) 桜葉の漬物加工において

(二) 気密性容器内にて

(三) 桜葉の塩漬け処理物を

(四) 食塩水たる水性媒体中で減圧した後

(五) 食塩水たる水性媒体に漬込むことを特徴とする

(六) 均一で鮮明なべッ甲色又は生ゴム色を呈する桜葉の速製漬け加工方法

2  被告らは、別紙目録(一)及び(二)記載の方法(以下、それぞれの方法を「イ号方法(一)」及び「イ号方法(二)」という。)を利用して、桜葉漬物加工物を製造販売している(ただし、被告らは、イ号方法(一)の説明中、「桜葉漬物加工物が液面下となる程の量の食塩水と共に入れ」の部分について「食塩水を桜葉漬物加工物の五ないし七割程度が液面下となるぐらい注入し」とすべきであり、また、イ号方法(二)の説明中「袋の中に、食塩水を重量比にして三〇ないし四〇パーセント程度の量と共に入れ」の部分について「袋の中に食塩水を加えず、そのまま入れ」とすべきであると主張している。)。

したがって、イ号方法(一)及び(二)は、本件特許の請求の範囲である構成要件(一)及び(二)を充たし、いずれも同構成要件(六)と同様に均一で鮮明なべッ甲色又は生ゴム色を呈する桜葉の漬物を得る加工方法であることが明らかである。

二  争点

1  被告らの加工方法が、イ号方法(一)の「桜葉漬物加工物が液面下となる程の量の食塩水と共に入れ」るものであり、また、イ号方法(二)の「袋の中に、食塩水を重量比にして三〇ないし四〇パーセント程度の量と共に入れ」るものであるといえるか。

(一) 原告の主張

被告らの加工方法は、イ号方法(一)及び(二)と同一である。

(二) 被告らの主張

被告らの加工方法における食塩水の量は、イ号方法(一)については、「桜葉漬物加工物の五ないし七割程度が液面下となるぐらい」であり、イ号方法(二)については、「食塩水がしたたる程度」であり、いずれも桜葉が食塩水に没しない程度である。

2  イ号方法(一)及び(二)にいう「桜の生葉を約五〇枚一束とし、その五〇〇束程度を四斗樽に入れて食塩水に最低一〇〇日間塩漬けし、この時点では、大多数において表裏に不均一な白褐色ないし白褐斑があるため均一で鮮明なべッ甲色又は生ゴム色を呈していないが、漬け込み完了後に得られた桜葉漬物加工物」は、本件特許の請求の範囲である構成要件(三)の「桜葉の塩漬け処理物」に該当するか。

(一) 原告の主張

本件発明の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。)によれば、漬け込み期間が不詳である桜葉塩漬物の市販品をも対象としているから、減圧前の漬け込み期間は問うところではない。実施例の生桜葉の塩漬け期間は、短期間の実験を例示したにすぎない。

(二) 被告らの主張

本件特許はいわゆる「速製漬けの方法」であるから、減圧処理の対象となる桜葉は、生桜葉を五ないし三五日間塩漬けした未完熟処理物に限られるところ、被告らのイ号方法(一)及び(二)にいう「桜の生葉を約五〇枚一束とし、その五〇〇束程度を四斗樽に入れて食塩水に最低一〇〇日間塩漬けし、この時点では、大多数において表裏に不均一な白褐色ないし白褐斑があるため均一で鮮明なべッ甲色又は生ゴム色を呈していないが、漬け込み完了後に得られた桜葉漬物加工物」は、漬け込み完了(完熟)物であるから、本件特許にいう「桜葉の塩漬け処理物」に該当しない。

3  イ号方法(一)にいう「非通気性の袋を収納した一斗缶を、真空包装機の中で約一分ないし二分間七五〇ないし七〇〇mmHgで真空引き(減圧)し」及びイ号方法(二)にいう「非通気性の袋を、真空包装機の中で約一分ないし二分間七五〇ないし七〇〇mmHgで真空引き(減圧)し」という各方法が、それぞれ、本件特許の請求の範囲である構成要件(四)の「食塩水たる水性媒体中で減圧し」に該当するか。

(一) 原告の主張

通常の真空包装であれば、少量の食塩水と共に包装すれば足りるはずであるが、イ号方法(一)及び(二)の構成においては、食塩水の量が多く、通常の真空包装技術とは明らかに相違する。

(二) 被告らの主張

イ号方法(一)及び(二)にいう真空引き(減圧)は、保存用食塩水と共に公知の真空包装を利用しているにすぎない。

これは、後続加工処理のために行う真空包装であり、本件特許とは目的が異なる。

4  イ号方法(一)にいう「引続き右非通気性の袋を右桜葉加工物と食塩水が入ったままの状態において減圧下で密封した後、右一斗缶を右真空包装機から取り出し、その密封された非通気性の袋を収納した一斗缶を、加圧機に入れて約二ないし三時間三気圧にて加圧して」という工程及びイ号方法(二)にいう「引続き右非通気性の袋を右桜葉加工物と食塩水が入ったままの状態において減圧下で密封した後、右非通気性の袋を右真空包装機から取り出し、その密封された非通気性の袋を、加圧機に入れて約二ないし三時間三気圧にて加圧して」という工程が、それぞれ、本件特許の請求の範囲である構成要件(五)の「食塩水たる水性媒体に漬込む」に該当するか。

(一) 原告の主張

(1) イ号方法(一)及び(二)の構成においても、真空包装機から袋を取り出した段階では、袋が全体として大気圧下に置かれるから、結局、本件特許にいう「漬込む」状態に置かれる。

(2) イ号方法(一)及び(二)の構成における食塩水の量は多量であり、桜葉が液面下になる程度の量であるから「漬込む」に該当する。

(3) イ号方法(一)及び(二)の構成における「加圧」は、漬け込みを促進するための単なる付加である。また「減圧下で密封した後」という構成も、本件発明と同一の作用効果を上げるのに無用の工程である。

(二) 被告らの主張

(1) 本件特許にいう「漬込む」は、本件明細書の「発明の詳細な説明」欄の記載から明らかなように、通常気圧下で二〇ないし四〇日間漬け込むことを意味するが、イ号方法(一)及び(二)の構成においては、右桜葉の塩漬け処理物をわずか二ないし三時間加圧するだけであるから、本件特許にいう「漬込む」という工程がない。

(2) イ号方法(一)及び(二)の構成においては、食塩水の量は、桜葉が食塩水に没しない程度の少量であるから、本件特許にいう「漬込む」の要件を充足しない。

(3) イ号方法(一)及び(二)の構成には「減圧下で密封した後」という、本件特許にはない工程が存在する。これは食塩水が溢れ出すのを防止するという意味がある。

(4) また、イ号方法(一)及び(二)の構成には「加圧」という本件特許にはない工程が存在する。すなわち、加圧によって白褐色の原因と考えられる葉中の残留空気を追い出して、白褐色のない均一で鮮明なベッ甲色又は生ゴム色を呈する桜葉加工物を得ることができる。

このように、イ号方法(一)及び(二)の構成においては、袋を密封した後加圧することにより、従来の加工処理の最大の欠点であった「食塩水が外に溢れ出す」という欠点を防止しながら、白褐色のない桜葉の漬物加工物を得ることができる。

第三  争点に対する判断

一  争点1について

証拠(甲事件乙三の2、検証)及び弁論の全趣旨によれば、イ号方法(一)に対応する被告らの加工方法は、桜葉漬物加工物が非通気性の袋の中に液面下となる程の量の食塩水と共に入れられることが認められる。

また、証拠(甲事件甲一七及び一八の各1ないし3、乙一三、検証)及び弁論の全趣旨によれば、イ号方法(二)に対応する被告らの加工方法は、袋の中に、桜葉を食塩水を加えずにそのまま入れるものであるが、被告株式会社小泉商店製造の五〇枚束二束入りの製品において、重量比四七パーセントの食塩水が、被告橋本屋商店株式会社製造の五〇枚束一〇束入りの製品において、重量比二八パーセントの食塩水が入っていることが認められることなどからすれば、右方法においては、食塩水に浸された桜葉を袋に入れることにより、結果的に、これに付着した重量比にして三〇ないし四〇パーセント程度の食塩水が桜葉と共に入れられることが認められる。

したがって、被告らの加工方法は、イ号方法(一)記載のとおり「桜葉漬物加工物が液面下となる程の量の食塩水と共に入れ」るものであり、また、イ号方法(二)記載のとおり「袋の中に、食塩水を重量比にして三〇ないし四〇パーセント程度の量と共に入れ」るものであるというべきであるから、イ号方法(一)及び(二)と同一である。

二  争点2について

被告らの主張は、本件明細書の実施例に記載された処理条件を基にするものであるが、もとより、発明の構成に欠くことのできない事項は実施例の記載に限られるものではないことは明らかであるところ、本件明細書によれば、従来の加工法の説明として「長期間、即ち五ないし六ヶ月間を要し、しかも得られた加工物はややもすると葉の表裏が不均一で不鮮明な白褐色を呈す」(甲乙両事件各甲一の特許公報一頁二欄一五行ないし一七行)とされ、長期間を要しても、得られた加工物には呈色の点で不適当なものがあることが示唆されていること、「また、この桜葉の塩漬け加工物は、同様にして得られた市販のものを用いてもよい」(右特許公報二頁四欄二三行ないし二五行)とされ、漬け込み期間が不詳である桜葉塩漬物の市販品も対象となり得ることが明記されていることなどからすれば、減圧処理の対象となる桜葉が、生桜葉を五ないし三五日間塩漬けした未完熟処理物に限られると解する理由はない。

したがって、イ号方法(一)及び(二)にいう「桜の生葉を約五〇枚一束とし、その五〇〇束程度を四斗樽に入れて食塩水に最低一〇〇日間塩漬けし、この時点では、大多数において表裏に不均一な白褐色ないし白褐斑があるため均一で鮮明なべッ甲色又は生ゴム色を呈していないが、漬け込み完了後に得られた桜葉漬物加工物」は、本件特許の請求の範囲である構成要件(三)の「桜葉の塩漬け処理物」に該当する。

三  争点3について

証拠(甲乙両事件各甲一、証人江藤剛、鑑定)によれば、本件特許の構成要件(四)にいう減圧には、食塩水たる水性媒体中で行うという条件しか付せられていないと解されるから、イ号方法(一)にいう「非通気性の袋を収納した一斗缶を、真空包装機の中で約一分ないし二分間七五〇ないし七〇〇mmHgで真空引き(減圧)し」及びイ号方法(二)にいう「非通気性の袋を、真空包装機の中で約一分ないし二分間七五〇ないし七〇〇mmHgで真空引き(減圧)し」という構成は、本件特許の構成要件(四)を充足する。

なお、被告らは、公知の真空包装をしているにすぎず、これは後続加工処理のための真空包装であり、本件特許とは目的が異なると主張するが、後記のとおり、イ号方法(一)及び(二)の構成は、右減圧後、桜葉の塩漬け処理物を食塩水たる水性媒体中に漬込むのであるから、これを単純に公知の真空包装と同一視することはできない。

四  争点4について

1  イ号方法(一)に対応する被告らの加工方法は桜葉漬物加工物が非通気性の袋の中で食塩水の液面下となる状態に置かれることは前記のとおりである。また、証拠(甲事件甲一七及び一八の各1ないし3、検証)によれば、イ号方法(二)に対応する被告らの加工方法による桜葉漬物加工物(ビニール袋のような非通気性の袋の中に重量比三〇ないし四〇パーセント程度の食塩水と共に入れられた桜葉漬物加工物)は、桜葉のほぼ全体が食塩水に浸っていることが認められる。そして、イ号方法(一)及び(二)においては、いずれも、右のような状態下の非通気性の袋が、前記のとおり減圧されて密封された後、加圧機内に二ないし三時間置かれるのであるから、右加圧機内に置かれた状態は、減圧した後「食塩水に漬込む」ことに該当するものというべきである。

したがって、イ号方法(一)の「引続き右非通気性の袋を右桜葉加工物と食塩水が入ったままの状態において減圧下で密封した後、右一斗缶を右真空包装機から取り出し、その密封された非通気性の袋を収納した一斗缶を、加圧機に入れて約二ないし三時間三気圧にて加圧して」という工程及びイ号方法(二)の「引続き右非通気性の袋を右桜葉加工物と食塩水が入ったままの状態において減圧下で密封した後、右非通気性の袋を右真空包装機から取り出し、その密封された非通気性の袋を、加圧機に入れて約二ないし三時間三気圧にて加圧して」という工程は、本件特許請求の範囲である減圧後の構成要件(五)を充足する。

2  被告らは、イ号方法(一)及び(二)の構成には、「加圧」という本件特許にはない工程が存在する旨主張する。しかしながら、イ号方法(一)及び(二)の「加圧」の各工程は、加圧により食塩水の桜葉への浸透作用が助長されることは容易に理解されるところであるから、いずれもより良い漬け込み状態を促進するために付加されたものにすぎないというべきである。

この点に関し、被告らは、加圧によって白褐色の原因と考えられる葉中の残留空気を追い出して、白褐色のない均一で鮮明なべッ甲色又は生ゴム色を呈する桜葉加工物を得ることができる旨主張する。確かに、証拠(甲事件乙一の2ないし4、乙事件乙一六、一七、被告株式会社小泉商店代表者、検証)によれば、イ号方法(一)及び(二)にいう加圧後の桜葉は色に変化が生じることが認められる。

しかしながら、証拠(甲事件甲一〇)によれば、桜葉を塩漬けするとべッ甲色又は生ゴム色を呈するのは、桜葉の葉緑素が分解してマグネシウムを失うためであることが認められるから、右の色の変化は桜葉への食塩水の浸透作用による効果であると推測される上、加圧の効果により、白褐色の原因と考えられる葉中の残留空気を追い出して、白褐色のない均一で鮮明なべッ甲色又は生ゴム色を呈する桜葉加工物を得ることができるかどうかについては、これを解明し得る根拠が明らかでなく、このことは、検証の結果によっても明白とはいい難いのであり、他にこれを認めるに足りる証拠もない。

3  また、被告らは、本件特許にいう「漬込む」とは、通常気圧下で二〇ないし四〇日漬け込むことを意味すると主張する。確かに、本件明細書には、浸漬の日数として「二〇日ないし四〇日間程度」という記載(前記特許公報三頁五欄一八行ないし二〇行)があるが、これは単に通常室温下での好ましい実施例の全浸漬日数を一例として記載したにすぎないものと解され、本件明細書等から、本件発明の技術的範囲をそのように限定しなければならない理由は認められない。

4  なお、前記認定のとおり、イ号方法(一)及び(二)における食塩水の量は、桜葉が食塩水に没しない程度の少量とはいえないから、この点に関する被告らの主張も採用できない。さらに、「減圧下で密封した後」という工程が、本件発明によって生じる作用効果に影響を与えると解することはできないから、これも付加的な構成と解される。

5  したがって、イ号方法(一)及び(二)は、いずれも本件発明の技術的範囲に属するものというべきである。

五  以上によれば、被告らがイ号方法(一)及び(二)によって桜葉の漬物加工物を製造することは、本件特許を侵害するものというべきである。

六  よって、原告の本訴各請求はいずれも理由があるからこれを認容し、訴訟費用の負担につき民訴法八九条、九三条をそれぞれ適用し、仮執行の宣言については、相当でないからこれを付さないこととし、主文のとおり判決する。

(裁判官 打越康雄 裁判官 小河原寧 裁判長裁判官園田秀樹は、転補につき署名捺印することができない。 裁判官 打越康雄)

目録(一)

桜の生葉を約五〇枚一束とし、その五〇〇束程度を四斗樽に入れて食塩水に最低一〇〇日間塩漬けし、この時点では、大多数において表裏に不均一な白褐色ないし白褐斑があるため均一で鮮明なべッ甲色又は生ゴム色を呈していないが、漬け込み完了後に得られた桜葉漬物加工物を、一〇〇ないし一二〇束の場合には、一斗缶に拡げて敷いたビニール袋のような非通気性の袋の中に、桜葉漬物加工物が液面下となる程の量の食塩水と共に入れ、このような内容物の非通気性の袋を収納した一斗缶を、真空包装機の中で約一分ないし二分間七五〇ないし七〇〇mmHgで真空引き(減圧)し、引続き右非通気性の袋を右桜葉加工物と食塩水が入ったままの状態において減圧下で密封した後、右一斗缶を右真空包装機から取り出し、その密封された非通気性の袋を収納した一斗缶を、加圧機に入れて約二ないし三時間三気圧にて加圧して、均一で鮮明なべッ甲色又は生ゴム色を呈している桜葉漬物加工物を得る方法

目録(二)

桜の生葉を約五〇枚一束とし、その五〇〇束程度を四斗樽に入れて食塩水に最低一〇〇日間塩漬けし、この時点では、大多数において表裏に不均一な白褐色ないし白褐斑があるため均一で鮮明なべッ甲色又は生ゴム色を呈していないが、漬け込み完了後に得られた桜葉漬物加工物約一〇束を、二七×三五センチメートル程度の大きさで短辺の一方が開放されたビニール袋のような非通気性の袋の中に、食塩水を重量比にして三〇ないし四〇パーセント程度の量と共に入れ、その非通気性の袋を、真空包装機の中で約一分ないし二分間七五〇ないし七〇〇mmHgで真空引き(減圧)し、引続き右非通気性の袋を右桜葉加工物と食塩水が入ったままの状態において減圧下で密封した後、右非通気性の袋を右真空包装機から取り出し、その密封された非通気性の袋を、加圧機に入れて約二ないし三時間三気圧にて加圧して、均一で鮮明なべッ甲色又は生ゴム色を呈している桜葉漬物加工物を得る方法

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